国際税務を学びなおす14~国内源泉所得④~

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

国際税務を学びなおす、今日は国内源泉所得の4,5つ目をご紹介。


<参考>


④組合契約事業から生ずる利益の配分

対象になるものとしては

民法の「組合」契約に基づいてPEを通じて行う事業から生ずる利益で、

組合契約に基づいて配分を受けるもの

となっています。

「組合」にもいろいろありますが、

  • 投資事業有限責任組合
  • 有限責任事業組合
  • 外国の法律における組合

も該当します。

課税方式としましては、

  • PEがある場合

→PEに帰属する所得であれば、恒久的施設帰属所得として申告が必要です。しかも、20%の源泉徴収されたうえで、です。

→PEに関係ない所得であれば、「課税対象外」です。

  • PEが無い場合

「課税対象外」です。

「PEを通じて行う事業から生ずる利益」と、最初に言ってますからね。

⑤土地等の譲渡対価

土地「等」というからには、もちろん土地だけではありません。

対象になるのは、「国内にある」

  • 土地または土地の上に存する権利
  • 建物およびその附属設備
  • 構築物

を、売却したことによる対価

となります。

逆に、土地っぽくてもこれ以外の物は対象外ということ。

例えば、

  • 鉱業権
  • 温泉利用権
  • 配偶者居住権
  • 賃借権
  • 土石(砂)

これらは、土地「等」には含まれません。

さらに、土地「等」に該当しても、一定の場合は「⑤土地等の譲渡対価」自体から除かれる取引もあります。

こんな取引です↓

  • 個人が土地等を譲り受けたこと
  • 1億円以下で譲り受けたこと
  • 土地等を譲り受けた目的が、その個人自身や親族の居住用のためであること

ということは、その土地等を法人が購入した場合は、購入価額や目的に関係なく「⑤土地等の譲渡対価」に該当する、ということですね。気を付けましょう。

さて、上の条件にあてはまる場合は、「⑤土地等の譲渡対価」ではなくなります。

「そっか、⑤土地等の譲渡対価でなくなるということは、税金の対象外ということか!」

では、ありません。

「他に何か該当する国内源泉所得はないのかな?」

ということまで考える必要があります。

該当しそうなものはあるでしょうか・・・。

ありますね。

「③国内にある資産の譲渡による所得」

です。

上の条件にあてはまるときは、「③国内にある資産の譲渡による所得」として申告をする必要があるのです。

課税関係

  • PEがある場合

→PEに帰属する所得であれば、恒久的施設帰属所得として申告が必要です。

→PEに関係ない所得であれば、恒久的施設帰属所得とは別にして申告が必要です。

  • PEが無い場合

→申告が必要です。

加えて、上の3パターンすべてで、売却価額の10%を源泉徴収されることになります。

ここが実はポイントで。

個人が土地等を居住用に購入した場合で、購入価額が1億円以下の場合は国内源泉所得の種類が「③国内にある資産の譲渡による所得」となりましたね。

「③国内にある資産の譲渡による所得」に該当すると課税関係は、

源泉徴収はされずに申告を行うだけ

となりますが、これは一般庶民に源泉徴収を行わせる手間を取らせないためなのでしょう。

源泉徴収を行うのは誰ですか?

お金を支払う側なのです。

ということは、庶民がマイホームとして土地を購入したときに、支払う代金の一部を税務署に源泉所得税として納税をしなきゃいけない場合があるということになるのです。

これが、「③国内にある資産の譲渡による所得」だと、土地等を買った個人が源泉徴収する必要が無いですからね。

【編集後記】

昨日は、朝からブログ更新と美容院。

午後からは歯医者に行って、そのまま都心にお出かけして映画鑑賞。