国際税務を学びなおす11~国内源泉所得①~

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は国際税務を学びなおす。「国内源泉所得」に入ります。

<参考>


これまでのおさらい

まず、「居住」の考え方について学びました。納税者を居住者と非居住者(内国法人と外国法人)に区分けして、それぞれ課税の範囲が決まっていました。

そして、非居住者・外国法人に対して課税を行う際に、「恒久的施設」(PE)の有無によって課税される範囲・課税の方法が決まっていましたね。

特に、非居住者・外国法人の課税に関して重要なのが、「国内源泉所得」でした。

非居住者・外国法人に対しては、国内源泉所得に課税をするのでしたね。

この国内源泉所得は、所得税法や法人税法でリストになっています。全部で17種類あります。

今日からは、この国内源泉所得を一つずつ、内容を見ていきます。

①恒久的施設帰属所得

これは前回の「課税方法の整理」編で単語として出てきました。

定義について、正確に理解をしておきましょう。細かく区切っていきますので、ゆっくりついてきてください。

恒久的施設帰属所得とは、

  • 非居住者・外国法人がPEを通じて事業を行う場合、
  • PEが、非居住者・外国法人から独立して事業を行う事業者であるとしたら
  • PEが果たす機能、PEにおいて使用する資産、PEと非居住者・外国法人の本店等との間の内部取引その他の状況を勘案したときの
  • PEに帰せられるべき所得

である。

ごじゃごじゃ書いてます。

イメージとしては、

そのPEを一人の納税者として考えましょう

ということ。(と、私は理解しています)

PEを一人の納税者として考えたときに、収入がいくらあって、支払った経費がいくらで、最終的に利益がどれくらい出るのか。

こんな風に計算して、所得を出しましょうということ。

「内部取引」

果たす機能とか、使用する資産とか、いろいろと書いていますが、説明は省略します。

今日の記事では、「内部取引」という考えについて、見ていきましょう。

上にも書きましたが、PEを一人の納税者として考える、ということはどういうことか?

非居住者・外国法人の本国とのやり取りってどうなりますか?

ここがポイントで、本国にある本店と日本にあるPEは

別存在

として考えてくださいね、ということなのです。

例えば、日本にあるPEで販売している商品を本国の本店から輸入している場合、

「本店から仕入れた」

と考えて、所得の計算を行うのです。

これ、結構大変ですよ。

いい加減に仕入れ値はつけられません。

独立した事業者間で取引した場合の価格を付ける必要があるのです。

(※この内部取引、「移転価格税制」の対象なのです・・・)

【編集後記】

昨日は朝一のブログ更新。

午後からは先日の出張のまとめとオンライン研修。