既成市街地などにある不動産を売却して買い換えた場合の特例
今日の譲渡所得の特例は、「既成市街地などにある不動産を売却して買い換えた」場合の特例です。
これまでの「譲渡所得の特例」の記事。
- 譲渡所得の課税の特例
- 優良住宅地の造成地等譲渡
- 居住用財産を売却した場合
- 収用などで資産がとられた場合
- 収用に派生する譲渡所得の特例(3種)
- 特定事業によって土地等が買収されたときの特例
- 居住用財産を売却した場合の特別控除
- 空き家を売却した場合の特例
- 特定の土地等を長期間保有した場合の特別控除
- 居住用財産を買換えた場合の特例
- 特定の事業用資産を買換えた場合の特例
既成市街地などにある不動産を売却して買い換えた場合の特例(措法37の5):概要
①所有する資産で一定のものを、②売却し、③売却した日の年末までに一定の資産を入手、④入手の日から1年以内にその資産に住み始めるor事業で使う場合に使える特例。
既成市街地などにある不動産を売却して買い換えた場合の特例:詳細
<売却する資産>
前提:棚卸資産は対象外です。
- 既成市街地などにある土地等・建物・構築物で、中高層耐火建築物の建築を行う特定民間再開発事業のために売却した一定のもの。ただし、個人事業に使っていないこと。
- 既成市街地などにある土地等・建物・構築物で、地上階数3以上の中高層の耐火共同住宅の建築する事業のために売却した一定のもの。
<売却の範囲>
贈与、交換、出資の場合は、対象外です。
措法33、措法33の2、措法33の3、措法33の4、措法34、措法34の2、措法34の3、措法35、措法35の2、措法35の3、措法36の2、措法37の適用を受けると対象外です。
<買換える資産>
- その特定民間再開発事業によって建築された中高層耐火建築物など、その敷地、建築物に係る構築物
- その事業によって建築された耐火共同住宅、その敷地、構築物
<買換え資産の入手方法>
贈与、交換、所有権移転外リースによる入手の場合は、この特例の対象外です。
<買換える資産の入手期限>
原則:資産を売却した年の年末までに入手する。その上で、入手の日から1年以内に、1の買換え資産の場合は住み始める。2の買換え資産の場合は個人の事業に使うor住み始めることが必要。
例外1:資産を売却した翌年の年末までに買い換える資産を入手する見込み、かつ、入手の日から1年以内に、1の買換え資産の場合は住み始める見込み。2の買換え資産の場合は個人の事業に使う見込みor住み始める見込みであること。
例外2:建築される建物の建築期間が通常1年を超えると認められる場合、これに準ずるやむを得ない事情がある場合に、売却した日の属する年の12月31日から2年以内まで期限の延長可能。ただし、税務署への申請が必要。
<買換えた資産の帳簿価額について>
売却をした資産の取得価額をもとに計算する。
<資産の売却と入手が「交換」で行われた場合>
資産の売却は、交換した日の時価で行ったとする。
資産の買換えは、交換した日の時価で入手したものとする。
特例の効果
- 売却収入の範囲内で資産を入手した場合→売却収入に課税されない。
- 売却収入金額を超えて資産を入手した場合→超える部分に相当する金額に課税。
【編集後記】
昨日は朝から西荻窪にお出かけ。
午後戻って毎日のブログ更新。
そして自分の確定申告を提出。