調査官の経歴を調べる
彼を知り、己を知れば百戦危うからず
孫氏という、中国の昔の思想家の言葉です。
「相手のことを分析し、自分たちの状態も分析して把握しておけば、百回戦っても負けることはない」と、こういう意味です。
私も、調査官時代、この言葉とともに、調査先の事前の分析にしっかり時間を取るようにと指導されたものです。
この言葉を税理士に当てはめると、税務調査に立ち会うとき、関与先の税務リスクの分析は行っていることと思います。調査の際に指摘されそうな部分はどこか、処理を認めてもらうにはどのようなロジックを組み立て、ロジックを補強するための資料として何をそろえるのか。
「己を知る」ことは当然大事なことですから。
10年職歴を見る
ただ、「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」、自分を知るだけではいけないのです。相手のことも分析して初めて「百戦危うからず」となるのです。
ぜひ、調査に来る調査官の分析もしてみてください。
そんなに難しいものではありません。税経から出ている「10年職歴」(リンク先は令和4年版)を見るだけです。
その調査官が採用されてから、何年くらい税務署・国税局で働いて、どういう経歴をたどってきたのか。こういう情報がわかるようになります。
かくいう私も、令和4年版までは掲載されています。(ちょっと恥ずかしい)
今回の調査の狙いは?
調査にどんな調査官が来るのか、この辺りがわかってくると、調査の狙いも何となく見当がついてきます。
税務署に採用されたばかりの若い調査官が一人で来るのか、ベテランの上席調査官と若手調査官が複数人で来るのか、その調査事案に対する人の割り当て方で当局の力の入れようも分かるというもの。
あるいは、国際セクションでの経歴が長い調査官だと、今回は海外関係を見るのかな、など。
調査の立会で場数を踏むと、段々精度も上がってきます。
後は、実際に調査の現場で、調査官が納税者に対し何を質問したのか、どのような資料を閲覧させるよう依頼したのかも大事です。当日の調査官の行動をよく把握して、どの項目を調査しようとしているのか、見ておいて推測していくのも面白いと思います。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは免許の更新で警察署に。更新所の職員の方、基本的にイカツイのはなぜ?
帰ってからは動画制作の準備。
夜は蔵書の自炊とモンスターハンターライズ。