売掛金を払ってもらえないとき、所得税の計算はどうなる?
事業を営んでいると、売上の代金を払ってもらえない、ということがあるかもしれません。回収のために動くのは前提として、所得税の計算がどうなるのか、書きました。
ルールを確認(所法51②)
- 不動産所得、事業所得、山林所得の関係であること。
- 事業の遂行上生じた売掛金、貸付金、前渡金などの債権が貸倒れた。商品の返品や値引きをした。
この場合には、損失の金額を必要経費にすることになっています。
また、「債権」には、事業に使うための建物を借りる際に支払った保証金や敷金、従業員の方への貸付金や前払いでの給料も含まれています。(所基通51-10)
「貸倒れ」って、どんな状況?
一般的に、代金の支払期限が過ぎているのに、その支払いがなく、相手がもう払えないような状況になっていること、と思ってください。
非常に困ります。商品やサービスを相手は受け取ってしまっていますから。回収に手を尽くす必要はありますが、それでも回収できない場合、どのような手続きで貸倒れにするのか。
- 「債権の一部または全部を切り捨てた」場合(所基通51-11)
→裁判所の手続きなどで、債権が回収できないと切り捨てられた場合。
または、相手の債務超過の状態が相当期間継続し、債権を支払ってもらえないと認められる場合で、相手に対し債務免除額を書面で通知した場合。
ここまでの事態となった場合、その売掛金や貸付金は「法律上」なくなったことになるので、貸し倒れたとなります。
- 「回収不能の貸倒れ」の場合(所基通51-12)
→相手の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合。※担保を設定している場合は、その担保を処分してから。
相手の状況から、債権を全額回収できないことがはっきりすれば、貸し倒れたと考えます。
- 「一定期間取引が無くなってから支払いがない」場合(所基通51-13)
→これは売掛債権の場合に限ります。売掛金とか未収金とかです。貸付金など、借金はダメです。
次のどちらかの条件を満たした場合に発動できます。
- 継続的に取引をしていた相手との取引を停止したとき、最後の代金の支払期限、最後に代金を支払った時、このうち一番遅い時期から1年以上経過している。(設定している担保がない場合に限る)
- 同じ地域の他の相手に対する売掛債権の総額が、取り立てに必要な旅費や他の費用より少ない場合で、相手に支払いを督促したのに支払いがないこと。
現実的には1番でしょうか。私が税務調査でよく見たのが、条件1で貸倒れにしているものでした。
何円、必要経費にできるのか
- 「債権の一部または全部を切り捨てた」場合→切り捨てられた金額。あるいは、債務免除をした金額。
- 「回収不能の貸倒れ」の場合→全額。
- 「一定期間取引が無くなってから支払いがない」場合→1円だけ残して全額。(1円のことを備忘価額といいます。ずっと決算書には残るので、気持ち悪いかもしれませんが。)
【編集後記】
昨日は毎日のブログ更新。
午後はインボイス研修を受講。全体の考え方を改めて整理する。そこから繋げて、書籍で体系的に整理する。