加算税制度を整理する⑦~まとめ~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は「加算税制度を整理する」。最後のまとめです。
(不納付加算税は省略しています)
<参考>
- 加算税制度を整理する①~概要~
- 加算税制度を整理する②~提出時期~
- 加算税制度を整理する③~帳簿の記載度合~
- 加算税制度を整理する④~無申告に要注意~
- 加算税制度を整理する⑤~無申告でも罰金が無い場合~
- 加算税制度を整理する⑥~重加算税~
過少申告加算税
- 基本税率・・・10%(追徴税額によって、一定金額を超える部分に15%)
これがまず最初。
ここから、「調査の絡み」で、
- 調査実施の連絡が来る前に修正申告提出・・・過少申告加算税なし
- 調査実施の連絡がきた後、かつ、調査開始前に修正申告提出・・・5%(追徴税額によって、一定金額を超える部分に10%)
となっています。
早めにごめんなさいすれば、罰金が減るということです。
ですので、調査立会いのご依頼が来た場合には、
はっきりした金額の間違いがあるとわかったとき
については、調査開始前の修正申告提出をオススメしております。
続いて、「帳簿作成度合い」によって、加算税率の上乗せ。
- 調査開始時点で帳簿作成が「著しく不十分」・・・基本税率に10%上乗せ
- 調査開始時点で帳簿作成が「不十分」・・・基本税率に5%上乗せ
この上乗せ措置によって、過少申告加算税の税率は最高25%まで上がることになります。
無申告加算税
- 基本税率・・・15%(追徴税額50万円を超える部分に20%、300万円を超える部分に30%)
これがまず最初。
ここから、「調査の絡み」で、
- 調査実施の連絡が来る前に期限後申告提出・・・5%
- 調査実施の連絡がきた後、かつ、調査開始前に修正申告提出・・・10%(追徴税額50万円を超える部分に15%、300万円を超える部分に25%)
さらに、
- 調査実施の連絡が来る前に期限後申告提出した場合で、「一定条件」を満たした場合・・・無申告加算税なし
という、「宥恕規定」も用意されています。
ですので無申告加算税においても、調査開始前の期限後申告提出をできる限りオススメしております。
続いて、「帳簿作成度合い」によって、加算税率の上乗せがあります。過少申告加算税と同じ制度です。
- 調査開始時点で帳簿作成が「著しく不十分」・・・基本税率に10%上乗せ
- 調査開始時点で帳簿作成が「不十分」・・・基本税率に5%上乗せ
まだまだあります。無申告者への締め付けは厳しいです。
- 税務調査を受けて期限後申告を提出した場合で、過去の一定期間内に税務調査で無申告加算税か、重加算税をかけられたことがある・・・基本税率に10%上乗せ
最悪の事態として、
税務調査を受けた結果、期限後申告を提出し納税額が300万円を超え、帳簿を作っておらず、過去一定期間内に無申告加算税などをかけられていた場合、どうなりますか?
50%の無申告加算税がかかる可能性があるということです。
逆に。
税務調査の連絡が来る前に期限後申告を出してしまえば、5%で済むんです。
どちらがいいでしょうか。
重加算税
「仮装・隠ぺい」をしていた場合ですね。
「基本税率」
- 過少申告加算税に該当する→35%
- 無申告加算税に該当する→40%
- 不納付申告加算税に該当する→35%
となります。
恐ろしいことに重加算税にも上乗せ措置はありまして、
- 重加算税をかけられる場合で、過去の一定期間内に税務調査で無申告加算税か、重加算税をかけられたことがある・・・基本税率に10%上乗せ
過少申告の場合は最高45%、無申告の場合は最高50%の罰金になるということ。
救いはあります。
税務調査開始前に、修正申告or期限後申告を提出してしまえば、重加算税の発動を抑えることができます。
調査の前に、悪いことをしていたことを認め、申告をすればまだ許してもらえるということですね。
もし、「仮装・隠ぺい」をしていたら、調査開始前に教えていただきたいところ。
私は怒ったりしません。
調査開始前に告白してもらえれば、まだ手の打ちようは残っていますよ。
【編集後記】
加算税、近年の改正ですさまじいことになっています。
特に無申告の方に対する締め付けがかなりキツイな、と。
さて、昨日は朝一のブログを更新しつつ、同世代の税理士の方とオンラインミーティングで情報交換を。
午後からブログを更新して、クライアントのエクセル入力。