加算税制度を整理する⑥~重加算税~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は「加算税制度を整理する」。重加算税について。
<参考>
- 加算税制度を整理する①~概要~
- 加算税制度を整理する②~提出時期~
- 加算税制度を整理する③~帳簿の記載度合~
- 加算税制度を整理する④~無申告に要注意~
- 加算税制度を整理する⑤~無申告でも罰金が無い場合~
「仮装」「隠ぺい」
今日は重加算税について。
税務調査でもよく問題になります。
ポイントとしては、
「仮装」「隠ぺい」したところで、申告を作成した、あるいは申告をしなかった
ということ。
結局これに尽きます。
では、具体的に何をすれば「仮装」「隠ぺい」と言われてしまうのか?↓
- 「二重帳簿」を作っている
- 帳簿や請求書・領収書といった「原始記録」、決算書などを捨てたり、隠した
- 帳簿にうその内容を書いた
- 取引先と協力して、うその請求書・領収書などを作成した
- 本当は自分が事業主なのに、他人の名前や存在しない人の名前で事業を営んだ
- 隠し口座に売上金を隠した
- 税務調査を受けたときにうその内容を話した、取引先にお願いしてうその内容を話してもらったなど、総合的に判断
などなど、これ以外にも。
これは、事務運営指針と言って、国税庁の長官が国税局・税務署の職員に対して出した仕事の基準となる書類に書いてあるものです。
こういうことを見つけたら、「仮装」「隠ぺい」になりますよ、と指針を出しているんですね。
(もちろん、これはあくまで「例」です。ここにあてはまらなければ何をしても重加算税の対象にならないわけではありません。)
罰金はいくらほど・・・?
基本的に他の加算税のパターンをなぞることになります。
例えば、売上や経費をごまかして、課税所得を減らした場合
→こういうケースは、過少申告加算税の出番ですが、
仮装・隠ぺいがありますので、過少申告加算税に「代えて」、35%の重加算税が課されます。
他も同様。
無申告加算税に相当するパターン→「代えて」40%の重加算税。
不納付加算税に相当するパターン→「代えて」35%の重加算税。
となっています。
なお。これだけではありません。
- 過去5年間で税務調査の結果、無申告加算税や重加算税を課けられた場合
- 過去2年間で税務調査の結果、無申告加算税や無申告加算税に代えて重加算税を課けられた場合
これにあてはまると、重加算税の税率が10%上乗せされてしまいます・・・。
税務調査の時は
税務調査の立会いをしていると、調査官によっては
「これは重加算税対象だ」
と言ってくることがあります。
そんな時も慌ててはいけません。
必ず、「何をもって」仮装・隠ぺいと言えるのか、確認を取りましょう。
なんとなく雰囲気で言っているケースもありますのでね・・・。
その時に、上記の事務運営指針を見せて、この内容のどれに該当するのか聞いてみるのも、面白いかもしれません。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは大野晃さん・井ノ上陽一さんのコラボセミナーに参加。
今後、税理士としてどう生きていくのか、色々刺激を受けた。