「勘」を鍛える
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、「勘」について。
「おや?」と感じる
仕事をしていると、何かピンと来るものがある。
あるいは、胸の奥がざわつく。
頭ではわかっているが、何だか釈然としない。
税理士として、普段は税金や会計のルールにのっとって仕事をするのは当然です。
何となく仕事をしているわけではありません。
でも、仕事をしている中で、「勘」が働くことがあります。
しかも、大体はネガティブな方向に物事が動きそうになる時に感じるのです。
例えば、税務相談を受けたとします。
相談者の方からお話を伺って、頭では解決の方向性もわかっている。でも。どうにもイヤな感じがある。
結果、相談内容に対してネガティブな回答となってしまい、失注してしまった。
そして、その後よくよく考えてみれば、あれは実は脱税まがいの相談だったのでは?という。
実際に、ありました。
パッとお話を聴いた限りでは、まともそうだし手助けもしたい。
でも、何だか心に引っ掛かりがあるので微妙な反応を返してしまい、ご依頼を頂けず。
自宅に戻って、よくよく詳細を思い返した段階で、あれは危ない話だった。
この「引っ掛かり」が勘というものでしょう。
「勘」とは何か?
潜在意識とか、無意識の働き・・・みたいな?
人間は生きている間に、色んなことを学び経験していくものです。
それを全部逐一覚えている人はほとんどいないでしょう。私もそうです。学生時代のことなんて、ほぼ朧げになっています。
最近のことでも・・・。
これ、意識として覚えていることは少ないけど、無意識の領域にちゃんとため込まれているんではないかと思うのです。
人間というものは、無意識とか潜在意識の部分がほとんどで、表に出てきている部分はほんのわずかだという話を聴いたことがあります。
だから、アヤシイ相談を受けたとき。
表に出ている意識の部分で聴いて、「確かにそういうこともあるよな」と考えたとしても、
意識の下にある潜在意識の部分にため込まれている膨大な知識・経験がパパっと判定を下して、「それ、怪しいから乗っからない方がいいよ」と警告を発してくれるのです。
それを「勘」と呼ぶのでしょう。
でも、潜在意識ははっきりと教えてくれるわけではなくて、
違和感とか、何となくとか、気持ち悪さとか、そういう感覚的なものにしか訴えてくれないんですね。
そういう、感覚を拾うことができるかどうか。
これはネガティブ方向の勘ですね。
もちろん、ポジティブ方向のものもありまして、
直感とか、ひらめきとか呼ばれているもの。
「なんでかわからないけど、こうすればいいと思った」とか、理屈を抜きにして解決策がわかってしまうパターン。
なんでかわからないけど、というのがポイントですね。
表に出ている意識では、理屈が繋がらない。でも、潜在意識では、これまでの知識・経験を基にして理屈を組み立てている。
そしてはじき出した答えだけ、意識に送り込んでいる。
だから、「なんでかわからない」となるのでしょう。
自分のスパコンを鍛える
この現象を何と名付けるのか。人それぞれ、心の問題です。
神様の恩寵と呼ぶ人もいれば、ご先祖様が注意してくれていると思う人も。
何でもいいわけです。
でも、何にもしないでこういう働きがあるわけではありません。
ポイントは2つ。
- 膨大なインプット
- 自分の内面との対話
勘を働かせるにも、勘の基になる知識・経験がないと、勘も働きようがありません。
なので、一生懸命勉強しましょうねということ。一生懸命旅行したり遊びましょうということ。
個別に内容は、はっきりと覚えていないかもしれない。でも、着実に潜在意識に影響を与えているのです。
この点、最近は生成AIをインプットに利用するなんて言うのもあるそうですが、生成AIに頑張ってインプットさせて結果の上澄みだけをすくっても、自分の勘の働きは鈍るだけでしょうね。
そもそも、人間には脳みそというスパコン・生成AIが誰でも入っているのです。
元から自分に備わっている機能を使わずにわざわざ外注する必要もないでしょう。
そして、インプットをしたうえで、自分の内面に気付く必要があります。
ここで、意識上で考えた理屈を正しいものとして、潜在意識の呼びかけを抑え込んではいけません。
頭の中では正しいもの。そんなことはわかっています。
それでもなお、何か納得できない。ざわざわする。イヤな感じがある。
そういう、非合理的な感覚を捕まえることができるかどうか。
この感覚を捕まえるのは、最初は大変かもしれません。特に、今まで潜在意識の呼びかけを抑えてしまっていた場合は。
自分が決断するとき、何か行動を起こすとき、自分の気持ちに目を向けることから始めてみましょう。
自分が本当はどう思っているのか?
そこにネガティブな感覚はないか。
自分との内面と対話をしてみましょう。
意外なヒントや警告が出てくるかもしれません。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは蔵書の整理と申告ソフトの導入・・・と思ったが、ライセンスを郵送するからすぐに使えないとのこと。
せっかく、すぐに操作をしてみたくてダウンロード版を購入したのに、何だか釈然としない。
気を取り直して、「三國無双ORIGINS」で遊ぶ。表裏、各勢力のそれぞれのルートを攻略し、一応完結。