「簡単」の解釈
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、「簡単」という言葉の解釈について。
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お互いの意味が違う
これは、税務署時代の窓口でも、
税理士になってからの相談でも、
どちらでもあるのですが、
ちょっと聞きたいことがあるんですけどとか、
簡単なことなんですぐ終わると思いますとか、
こんなふうにおっしゃる方がいらっしゃるんですね。
で、実際に話を聞いてみると、
う~ん、これは、と。
腰を据えて話聞かないと答えられないよね、
事務量を相当投入しないと対応できないぞ、
というものがあるんですね。
私、個人の場合で言うと、
例えば、家を売ったとか。
家を売った場合の税金ってどうなるの?
あぁ、これはこんな感じですね、
とは答えられないですよね。
家に限らず、不動産の売却というものは、様々な特例の措置が設けられています。
その措置を受けることによって税金が安くなるというものが大半なんですが、ここで判断を誤るとお客様に税金の負担をかけることになってしまう。
だから、うかつに答えられないんですね。
でも、お客様のほうは必ずしもそうは思っていない。
今まで会社員だったし、事業をやってるわけでもないんだから、自宅をちょっと売ったくらい大した事ないんでしょ?簡単なことなんだから、すぐ答えてよ。
意外とそんなふうに思ってる方がいらっしゃるんですよね。
ここで、税理士とお客様の間で大きなギャップが生まれてしまう。
解像度が違うから
税理士は税金や会計について詳しい。
そしてお客様にもいろんな方はいらっしゃいますが、税理士以上の税金や会計に関する知識を持っている方は稀です。
税理士の方が当然、税制に関する解像度は高いんです。
ですから、この解像度の違いを受け入れる必要がまずはある。
そして、解像度の違いを埋める努力を税理士という専門家をしなければならない。
お客様に対して、税制に対する解像度をあげて下さいというのはちょっと違うかなと思うところです。
お客様は、税理士に対してその専門性や知識、スキルに対してお金をお支払いいただくのです。
我々の税制対する解像度の高さを買っていただいているのです。
ギャップを埋める責任が税理士にはあるのです。
ですから、さっきのちょっと家を売ったんだけど、という質問に対しては、
住宅の税制は複雑なんですよというところをご理解いただく努力をしなければいけない。
専門家の宿命だと思っています。
自分が「お客様」の立場になった時
で、生活をしているうえで、自分が「お客様」の立場に立つ場面もあるはずです。
その時に、同じことをしてしまわないでしょうか?
外部から見ていると、つまり解像度が低い状態だと、
こんな簡単なこと、チャチャッとやってよ、とか
なんでこんなこともできないのか、など
思ってしまいませんか?
それは格好悪いですよね。
気を付けましょう。
特に、自身が解像度が低い物事に対しては、謙虚であらねばならないと思っています。
ちょっと聞きかじったくらいで、何でも知っていると思わないこと。
そのことは、専門家である税理士自身、よくわかっているはずですよね?
もちろん、税理士でなくても。皆さん何かしらの「専門分野」はあるはずですから、自身の専門分野について見当違いのことを言っている人を見ると、むずがゆくなるでしょう。
謙虚に、謙虚に。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からはクライアントのExcel入力と申告書作成。
夜は相続税に関するオンラインセミナーと「モンハンワイルズ」。
相続税、バックボーンが違うとはいえ、奥行きがあるなという感想。
ま、それは何でもそうではありますが。