インボイスをもらえないとマズイ?前編

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、インボイスをもらえないとどうなるのか?というお話。2回に分けてお話します。

読み上げ版はこちら↓

大原則:消費税の計算はインボイスが必要

自分がインボイスを登録して、これからは毎年消費税を申告しなければならなくなった。

実際にどうやって消費税を計算するのか?

小規模な事業者の方の場合だと、2割特例と言う制度を使うことができますのでそこまで計算の苦労をする事はありません。

ところが、ある程度ビジネスの規模が大きくなると、この2割特例と言う制度は使えなくなってしまいます。

2割特例、と言うからには本来の計算が別にあるはずですね?

本来の計算はこうやって行います。↓

売上にかかる消費税−仕入・経費にかかる消費税

計算式に表すとこんな感じになります。

で、実際にどうやって計算するのかと言うと、インボイスに書いてある消費税の金額が必要になるのです。

え?

インボイスでない領収書とか、レシートにも消費税の金額が入っているじゃないか、ですか?

確かに、そういうような書類も見かけますが、消費税の計算に使う事はできません。

消費税の計算に使う以上は、あくまでインボイスでなければなりません。

となりますと、仕入や経費の支払い先からインボイスをもらえなかった場合。

消費税の計算で引けなくなりますので、毎年の消費税の納税金額が、とんでもないことになってしまうわけです。

対策 簡易課税

典型的な対策例として「簡易課税の適用」があります。

これはどんな制度かと言うと、売上にかかる消費税だけを使って、その年の納税額を計算する仕組みです。

インボイスは不要です。

安心しましたか?

でも、そんなにお得な制度かと言うと、人によるのかなと。

この簡易課税と言う制度は、

納税者の業種ごとに計算方法が変わってくるのです。

計算方法としては、以下の通り↓

売上にかかる消費税×割合

割合っていくらなの、と言いますと

40%から最大90%まで

となります。

万能ではない

え、最大90%まで消費税を引いていいんですか?

喜ぶのは早いです。

90%まで引けるのは、卸売業の方だけですね。

次に高い80%まで引けるのは、小売業と農林水産業の一部の方。

自分には関係ないじゃないか?

そういうこともあると思いますね。

特に、サービス業の場合。

50%しか引けません。

売上にかかってる消費税の半分も納めなければいけません。

サービス業と言うのは、一般的には経費がそこまでかからないと思います。

経費が売上の半分も行かない。そういう方にとっては、簡易課税制度は節税になります。

それ以外の方。経費が売上の半分を超えている方の場合、簡易課税制度を使うとかえって消費税の納税額が増えるかもしれませんね。

この辺は実際の金額で計算してみて比べてみないとお得感がわからないと思います。お知り合いの税理士さんに計算をしてもらってもいいかもしれませんね。

なお、注意事項として、

簡易課税を使えるのは、2年前の売上が5000万円以下の比較的小規模な事業者の方だけです。

また、簡易課税制度を使うには、一部例外を除いて使いたい年の前年のうちに税務署に申請を行う必要がありますので、気をつけましょう。

【編集後記】

昨日は朝一から出張。

移動中にブログを書きつつ。

午前中は埼玉県で税務調査の立会い。

午後から都内に戻り、カフェでブログの続きなど。