調査官に「言い訳」は通用しないことも
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、調査官に「言い訳」は通用しないことも、というお話。
「上手く説明すれば乗り切れる」という幻想
今日も、税務調査に関する内容です。
事業者の方の中には、「もし調査で何か指摘されても、上手く説明(言い訳)すれば、ただのミスとして乗り切れるのではないか」と考えている方が少なからずいらっしゃいます。
「うっかり忘れていただけです」「税金のルールを知らなかったんです」
たしかに、単なる計算ミスや、見解の相違による処理であれば、しっかりと説明することで理解を得られることもあります。
その計算ミスや、見解の相違が本当であれば。
客観的な「証拠」の前では言葉は無力
しかし、注意しなければならない「厳しい現実」があります。
それは、実際の「証拠」から不正申告の形跡が見て取れる場合。
いくら言葉で「意図的ではない。単なるミスだ、税金に無知だった」と言い訳をしても、絶対に調査官には受け付けてもらえないということです。
例えば、「売上の一部だけが、わざわざ事業用ではない『社長の個人口座(隠し口座)』に入金されている」といったケース。
これ、割とよくある話なんです。
このような事実(お金と書類の動き)が客観的な証拠として残っているのに、「うっかりミスでした」という言い訳で済まされるはずがありません。
社長の個人口座に売上代金を振り込んでもらうことまでは、百歩譲ってまだ、良いでしょう。
それを申告しなくても良いと思っていた、というのは流石に無理があります。
税金の知識以前、事業者としての常識がないということになりますからね。
どんなに理路整然と言い訳を並べ立てようが、一刀両断に「意図的な不正」と調査官からは認定されます。
だからこその先手
では、動かぬ証拠があるにもかかわらず、「いや、知らなかったんです!」と往生際悪く苦しい言い訳を重ねる納税者を見て、調査官はどう思っているのでしょうか。
怒りでも、さらなる追及心でもなく、ただただ「呆れる」のです。
そして、「情けないな」と思うのです。
調査官も人間です。明らかな証拠があるのに見え透いた嘘を重ねる姿は、一人の大人としての、そして事業者としての「信用」を完全に失墜させます。
呆れられ、情けないと思われ、言い訳が効かないまま不正申告とみなされれば、最悪7年間の遡及、重加算税、そして税務署内での不正申告した事業者と長期的な管理をされるという、極めて厳しい展開が待ち受けています。
調査官がやって来て、その「動かぬ証拠」を握られてからでは、もう手遅れなのです。
だからこそ、私は「身に覚えがあるなら、調査開始前に修正申告を出してしまうこと」を強くお勧めしています。
見え透いた言い訳をして人間としての信用まで失うのではなく、客観的な証拠として指摘される前に、自ら膿を出し切り、すべてを正した状態にして調査当日を迎える。
これができるかどうか、その事業の未来が大きく変わることになるのです。
【編集後記】
昨日は午前中は税務調査の立会い。
午後を少し回って終了。
帰宅後、ブログ更新、お客さまとの連絡など。

