法人税を学ぶには

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、法人税を学ぶには、という題でお話をします。

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何から手をつける?

国税組織の新人研修もそろそろ終わり、税務署への配属の日も近いのではないでしょうか?

私が新人職員だったころは、最初は税務署の窓口担当から始め、一年間経験を積んで専門部署に枝分かれしていきましたが、

最近は研修後にいきなり専門部署への異動となっているようですね。

税務署に配属後に、いきなり調査の仕事に出ることもあるようで戸惑う方も多いでしょう。

そこで、法人税担当に異動した方を想定して、もしイチから法人税を学ぶなら、何から手をつければ良いのかをお話します。

法人税のややこしいところは、法人税について書かれた本を買ってきて読めばいいというものではないと言うことです。

法人税は、法人税単体で存在しているわけではありません。

どういう意味か?

まず簿記会計という土地の上に、会社法と言う土台があって、その上に法人税という建物が立っている。

私の勝手なイメージではこんな感じです。

なので、法人税の書籍を読んでいると、簿記と会社法を当たり前のように知っていることが前提となっているのです。

簿記と会社法を全く知らない状態で法人税の書籍を読んでも、なんとなくわかった気にはなりますが実際の税金の計算はできません。

法人税を学ぶには前提知識がどれだけ必要なのか、と不安になりましたか?

でも大丈夫です。

簿記と会社法の完璧な理解は要りません。

まずは簿記2級の特に商業簿記と、会社法の簡単な入門書をさらっと読んでから法人税の世界に入ることをお勧めします。

必ず入門編から始めよう

とりあえずは、これくらいの事前学習をしていくと、法人税の世界を学びには必要十分です。

さて、法人税を学ぶ下準備ができたので、今度は法人税そのものに入ります。

大きめの本屋に行ってみると、法人税について書かれた書籍がたくさんありますね。

それこそ辞書みたいに分厚い書籍も売ってます。そういう分厚い書籍にいきなり手を出してはいけません。

まぁ、分厚い書籍はその名の通り辞書のように使うためにあるので、初学者には向いていません。

できるだけ薄くてイラストや図解がたくさん載っている書籍を買いましょう。

それで充分なのか心配ですか?

大丈夫です。

法人税にはたくさんのルールがありますが、税務署で調査に行くような小規模な法人には、そのルールの大半が関係ありません。

最初のうちから細かいルールを覚えても仕方がありません。

法人税と言うものは、簿記で計算した利益に対して、税金を計算するにふさわしい利益に調整する仕組みなのです。

はっきり言って、小規模な法人の場合は会計上の利益が出た段階で、法人税の計算と言うのはほとんど終わってます。

会計上の利益の中で、税金を計算する際に不都合なものがあるのでそれを調整するのが法人税の仕組みなのです。

申告書の書き方

調査の現場に出る以上、最終的には法人税の申告書を書けるようにならなければなりません。

こちらも同じく本屋に行けば、法人税の申告書の書き方について入門編となる書籍がたくさんあります。

基本的にどの書籍も同じことを書いているはずなので、自分が読みやすそうだと思った書籍を手に取ってもらえばいいでしょう。

さて、法人税を計算するための申告書の書類は数十種類あります。別表と言う様式なのですが、初めて見た方はその種類の多さに驚くのではないでしょうか?

とはいえ、では、そのたくさんある別表のうちよく使う別表は、おそらく10種類程度しかないのではないかと思います。

入門書をよく読んでみると、たくさんある別表のうちの特定のものしか出てこないはずです。

配属された部署で管理している法人さんの申告書をパラパラめくってみましょう。大体、みんな同じような種類の別表がついているはずです。

それは何故かと言うと、先にも書きましたが、法人税は会計上の利益に対して税金計算する用の利益に調整するルールなので、そもそも調整自体が少なく済むのであれば、使う申告書類も少なく済むです。

小規模な法人さんの場合、会計上の利益がほとんどそのまま税務上の利益になりなる確率が高いので、大して調整計算をしなくていいわけですから、使う別表も少なく済むのです。

仕事をしながら、見たこともない別表が出てきたときに都度、専門書で確認するという程度で良いのではないでしょうか?

【編集後記】

昨日は朝一のブログ更新。

午後からはクライアントのExcel集計。

夕方からオンラインライブ視聴。