法人税の修正申告を出すときは、何の別表を作ればいいのか
国税調査官として働いていたときは、税務調査を実施した法人さんから修正申告の提出を受けることがよくありました。
では、その際に、どの別表を作る必要があるのでしょうか。
修正申告の作り方が「わからない」
調査先の顧問税理士から、
「修正申告なんて作る経験がほとんどないから、何を作ればいいのかわからない」
と言われて、妙に納得したことを覚えています。
調査官としては、税務調査に伺って修正申告の提出をお願いすることは、よくある話。
逆に、税理士の立場からすると、税務調査に来られるかどうかは税務署側の一方的な判断です。税理士側も、まんべんなく調査の立ち合い経験があるかどうかは何とも。
確かに、税理士によっては、修正申告の作り方がわからないというのは、あり得る話だなと。
基本は「数字が変わる」別表を提出
税務調査を受けて修正申告を提出することになるのは、
課税所得金額が増加
するようなパターンが基本です。
分かりやすい例でいえば、売上の計上がもれていたとか、費用の計上時期が間違った、というような場合。
このような場合は、どんな別表の数字が変わってくるでしょうか?
まずは、別表四と別表五(一)。
別表四で課税所得金額に足し算して、別表五(一)に連動させる。
そして、課税所得金額が増えたということは、税額も増えるということ。別表一の数字が変わる。別表一次葉も変わりますかね。
そして、別表一の数字が変わったということは、租税公課の明細を記載する別表五(二)の内容も変わってきます。
五種類の別表で「ワンセット」
以上に書いた、別表一、別表一次葉、別表四、別表五(一)、別表五(二)で、修正申告のワンセットです。
この五種類の別表は、修正申告作成の際にほぼ必ず出てきます。
このセットに、会社の申告状況に合わせて他の別表が増えていきます。
- 会社に昔の赤字がある場合→別表七(一)
- 受取配当金の計算を間違えた場合→別表八(一)
- 交際費の計算を間違えた場合→別表十五
と、このような感じでしょう。
ちなみに、決算書などの財務書類や内訳書は修正申告と一緒に改めて提出する必要はありません。
なお、気を付けたいのは、修正項目に直接関係ない数字の変動です。
例えば、税額控除系がそうでしょう。控除限度額の計算で、課税所得金額の一定金額が上限となっているものが多いのです。
税額控除の控除額自体が動かなくても、別表の中身に課税所得金額の数字を記載する別表の場合は、修正申告で課税所得金額が増加した場合、別表に記載の課税所得金額の数字が連動して変わってしまいます。この場合も、修正申告書提出の際には、当該別表の提出が必要となります。
【編集後記】
税額控除の別表の中身が変わるのはモレがちです。私も国税職員時代に、審理担当の職員からよく注意されていました。
さて、昨日は朝一のブログ更新。午後からは耳鼻科に点鼻薬をもらいに。
外出すると暑いこと。薄着で正解だったなと。
夜は引き続き信長の野望。内政があらかた終わったので、東海・甲信越地方へ進撃。そうすると朝廷より「関白」に任官される。
征夷大将軍兼関白。
どこの世界の話だろう。