「与党税制改正大綱(令和6年度)」の整理③~法人税編~

与党税制改正大綱の整理、本日は法人税編。

これまでの与党税制改正大綱の整理。

定額減税編

ローン減税ほか編

賃上げ促進税制(給与等の支給額が増加した場合の税額控除)

<全法人向け>

1.基本の税額控除率を10%に引き下げ。

2.継続雇用者に対する給料の金額の、昨年における継続雇用者に対する給料の金額に対する

  • 増加率が4%以上である場合→税額控除率に5%上乗せ
  • 増加率が5%以上である場合→税額控除率に10%上乗せ
  • 増加率が7%以上である場合→税額控除率に15%上乗せ

3.教育訓練費の金額の、昨年における教育訓練費の金額に対する増加率が10%以上、かつ、教育訓練費の金額が雇用者に対する給料の金額の0.05%以上である場合

税額控除率に5%を上乗せ

4.プラチナくるみん認定、プラチナえるぼし認定を受けている場合

税額控除率に5%を上乗せ

<青色申告+従業員2000人以下の法人向け>

継続雇用者に対する給料の金額の、昨年における継続雇用者に対する給料の金額に対する

  • 増加率が3%以上である場合→雇用者に対する給料の増加分の10%が税額控除。

その上で、

  • 増加率が4%以上である場合→税額控除率に15%上乗せ
  • 教育訓練費の金額の、昨年における教育訓練費の金額に対する増加率が10%以上、かつ、教育訓練費の金額が雇用者に対する給料の金額の0.05%以上である場合→税額控除率に5%上乗せ
  • プラチナくるみん認定、プラチナえるぼし認定、えるぼし認定(3段階目)を受けた年→税額控除率に5%上乗せ

※控除税額の上限は、法人税額の20%。

<中小企業>

控除限度を超えた分は、5年間繰越できる。

1.教育訓練費の税額控除

教育訓練費の金額の、昨年における教育訓練費の金額に対する増加率が5%以上、かつ、教育訓練費の金額が雇用者に対する給料の金額の0.05%以上である場合税額控除率に10%上乗せ

2.プラチナくるみん認定、プラチナえるぼし認定、えるぼし認定(2段階目以上)を受けた年→税額控除率に5%上乗せ

※繰越控除をする年の、給料の金額が昨年の給料の金額を超える場合に限られる。

新設される税制(要点)

  • 戦略分野国内生産促進税制

青色申告法人で、産業競争力強化法における認定事業適応事業者である法人が、事業適応計画に記載された商品を生産するために設備を新設・増設する場合に、機械などを取得して国内で使用したときは一定の税額控除ができる。

  • イノベーションボックス税制

青色申告法人が、特定特許権の譲渡や貸付けをした場合、一定の金額を費用にできる。

  • 農業の生産性向上に関する税制

青色申告法人が、スマート農業技術の活用の促進に関して、一定の機械などを取得して生産方式革新事業活動に使用した場合、特別償却ができる。

その他

  • 中小企業事業再編投資損失準備金

→一定の場合、積み立てた準備金の金額の最大100%まで費用にできる。

  • 法人が所有する市場暗号資産

→譲渡制限がついているなどの場合、期末の評価は原価法or時価法で評価する。

  • 交際費の損金不算入

→除外される飲食費の範囲を、一人当たり1万円以下に引き上げる。

  • 外形標準課税

対象法人の拡大。

→前年に対象であった法人で、今年に資本金1億円、かつ、資本金と資本剰余金の合計が10億円を超える場合は対象となる。

→施行日以後最初に開始する年度において、公布日を含む年度の前年度に対象であった法人のうち、施行日以後最初に開始する年度に資本金1億円、かつ、資本金と資本剰余金の合計が10億円を超える場合は対象となる。

→資本金と資本剰余金の合計が50億円を超える法人の100%子会社等のうち、年度末に資本金1億円、かつ、資本金と資本剰余金の合計が2億円を超える場合は対象となる。

  • 現物出資の見直し

内国法人が外国法人の本店等に工業所有権や著作権の移転を行う現物出資について、適格現物出資の対象外にする。

【編集後記】

昨日は毎日のブログ更新。午後からはインボイス動画のパワポづくり。6割くらい終わる。

夜からはオンラインセミナー受講。