Q:報酬から源泉所得税を天引きされたときの仕訳はどうするの?
個人事業主がお客様から売上代金を受け取るとき、源泉所得税が天引きされて振り込まれることがあります(税理士である私もです)。この場合、会計ソフトにどうやって入力すればいいのでしょうか。
天引きされたときの仕訳は2段階に分けて
<第1段階>~売上金額10000円の請求書を送ったとき~
借方(左側):売掛金 10000円 貸方(右側):売上 10000円
と会計ソフトに入力します。
この仕訳は、いつもと変わりませんね。
<第2段階>~お客様から代金を天引きされて振り込まれたとき(税率:10.21%)~
借方(左側):普通預金 8979円 貸方(右側):売掛金 10000円
仮払金 1021円
となります。売掛金のうち、自分の銀行口座に振り込まれた8979円と、天引きされた残りの1021円、という分け方をします。
年末に残った「仮払金」はどうするの?
このままでは、年末に仮払金がたくさん残ってしまいます。
そこで、決算のときに
借方(左側):事業主貸 ○○円 貸方(右側):仮払金 ○○円→天引きされた仮払金を全額
という仕訳を会計ソフトに入力し、仮払金の全額をキレイに消しましょう。
なぜ、事業主貸かと言いますと、本来これは所得税の前払のようなものですから「租税公課」になるか?と考えたくなります。
しかし、所得税の計算では、払った所得税そのものは経費にならないんです・・・。あくまで、事業に関係ない個人的な支払いという扱いなんですね。そのため、「事業主貸」という勘定科目を使っています。
税理士が思う大切なこと
正直なところ、私が思うに大切なのは会計ソフトへの入力方法ではなく、自分がいくら所得税を天引きされているか、わかっているかということ。お客様から、年明けに「支払調書」という紙が来てそれで内容を確認している方もいらっしゃるかもしれませんが、支払調書のみで税金の計算をすると、正しく税金の計算ができない恐れがあります。
天引きされた源泉所得税を正しく計算できないと、確定申告の際に所得税を多く支払いすぎる・・・なんてことになりかねません。
あくまで、ご自身で、いくら天引きされたのか、記録を残しておくようにしましょう。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からはお客様に資料などの郵送手続きなど。
翌日は早起きなので、早めに就寝。