減価償却って何?

事業で必要な機械や設備を購入した場合、一度に必要経費にすることはできません。(金額により例外はあり)「減価償却」という方法で、少しずつ経費にしていきます。

考え方

根っこには、「費用収益対応の原則」というものがあります。

これは、「事業で出てきた費用は、収益と対応した分だけ経費にする」という考え方です。機械や設備の場合、おそらくは1年限りではなく、何年か継続して使い続けることになります。そうすると、その「何年か継続して使い続ける」間に、少しずつ経費にしていって売上と対応させる方が、「費用収益対応の原則」の考え方に沿っているということになります。

ただ・・・。

  • 「何年か継続して使い続ける」とは個人で決めていいのか。実際に使った期間なのか。→所得税のルールで種類別に決まっています。
  • 経費にする方法は好きなように決めていいのか。→これも、所得税のルールで決まっています。

というように、実際の計算方法はがっちりルールが決まっています。

減価償却するのはどんなもの?(所法2①十九、所令6)

該当箇所には、つらつら列挙されています。

例えば、

  • 建物、建物に付属する設備
  • 構築物
  • 機械及び装置
  • 車両及び運搬具
  • 工具器具備品
  • ソフトウェアなど
  • 牛、馬、豚、綿羊及びやぎ・・・まで。

ただし、時の経過により価値の減少しないものは除かれます

どんなものか。例えば、美術品。古美術品や古文書など、歴史的価値または希少価値があって、代替性がないものは「時の経過により価値の減少しないもの」と取り扱われます。(所基通2-14)確かに、こういったものは、時間が経過しても価値は変わりません。減価償却する必要がないということでしょう。

あと、土地。これも、減価償却の対象外です。土地も同じく、「時の経過により価値の減少しないもの」と同じ考えです。

減価償却の方法

方法は、減価償却の対象になる資産を購入した年度によって若干変わってきますし、資産の種類によっても変わってきます。

話が複雑になりますので、今回は2つ、方法を解説します。

  • 定額法=毎年同一金額を経費にする方法。
  • 定率法=毎年、一定の割合で経費にする方法。

どちらの方法も、最終的には同じ金額が経費になります。

違いとしては、定額法が毎年同じ金額を経費にできる計算方法なのに対し、定率法は初年度に一番大きい金額を経費にして、それ以降は少しずつ経費にできる金額が減っていくということ。

経費の計算方法について考え方が大きく違うということを、確認してください。

【編集後記】

昨日は毎日のブログ更新。遠方へ出かけていたこともあり、午後からはオフ。

スーパー銭湯に行ってゆっくりし、夕方からは図書館へ。