「売上原価」って何?

確定申告に向けて決算書を作成していると、「売上原価」という文字が出てくることがあります。

「売上」であれば意味は分かりますが、「売上原価」となるといまいち意味がよくわからない・・・。

「売上原価」は「必要経費」の一種

となります。

この必要経費ですが、大きく分けると2つの種類があります。

  1. 売上にダイレクトに結びつくもの。「この」お金を支払ったから、「この」売上になったと言い切れるもの。
  2. 売上に個別に結びつかないもの。

1番を「売上原価」と呼んでいます。例えば、商品を販売している事業であれば仕入れた商品にかかったお金。

2番を「販売費及び一般管理費」などと呼んでいます。例えば、事務所の電気代、借りていれば地代家賃、事業に必要な書籍や雑誌の購入代金など。

売上原価が出てくるのは、一般的には、小売業、卸売業、建設業などでしょう。

税理士のような専門業やサービス業では、お目にかかることはあまりありません。というか、私の決算書には「売上原価」はありません。税理士業の場合では、何かにお金を払った時、特定の売上にダイレクトに結びつくものってないんですよね。

「売上原価」のクセ

「販売費及び一般管理費」であれば、年末に買って到着していない消耗品に気を付けるとか、何かのサービスを利用して一年分の料金を前払いしたとか、そのあたりに気を付けておけばおおむねOKです。

「売上原価」ももちろん、同じことに注意を払う必要はありますが、大きく違うところがあります。

年末までに売り上げたモノしか必要経費にならない

ということ。

具体的に説明しましょう。

例えば、年末に商品を100個仕入れ手元に到着しました。そして、そのうち80個を販売したとしましょう。

決算で実際に売上原価となるものは、販売した80個だけ。

残りの20個は「たな卸資産」として決算書に載せることになり、その年の経費にならないのです。

そう、その年の、です。

もちろん、翌年にお客様に販売できれば、翌年の売上原価となります。

だから年末に棚卸作業をする

スーパーを利用していると、たまに

「決算につき棚卸作業中」

ということで、お休みになっていることがありませんか?

これ、売上原価の計算を行っているところなんです。

なぜ棚卸作業が計算になるのか。

売上原価の計算は、別に商品が売れたときに個別にしなくても構いません。そんなことしていたら大変ですからね。

一年に仕入れた商品のうち、年末に残った商品を引けばいいのです。

裏を返すと、一年に仕入れたもののうち、年末に倉庫になかった商品は売れたということでもあります。

ということで、年末に棚卸作業を行うんですね。

【編集後記】

昨日は朝一のブログ更新。

午後からオンライン研修を受講し、久しぶりのスーパー銭湯へ。