証拠は「組合せ」で補強する

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、証拠について。

まず基本から

昨日の記事の続きネタです。→昨日の記事

さて、「証拠」と言っても、まずは何をそろえればいいのでしょうか?

そんなに身構える話ではありません。

まず、自分自身が必ず保存をしておかなければいけないもの。

  • 帳簿
  • 請求書、領収書、レシート

これは最低限クリアする必要があります。

というか、事業活動を行う上で、皆さん毎年申告を税務署にしているはずなので、この2つは当たり前にお手元にあるはずですから、

真面目に申告をしているという方は別段問題が無いものでしょう。

(え?帳簿なんて作ってない?領収書やレシートも残してない?それは困りましたな~)

あ、大事なことなので。

帳簿の中身が合っているかどうか、書類の保存方法が正しいかどうかはとりあえず置いておきましょう。

ご自身が申告書を作るにあたって「何を基に」作ったのか。その基になった資料をお手元に保存できているかどうかが大事なのです。

その上で、

お金のやり取りを銀行振込で行っているならば「通帳」も必要ですし、

取引先との間で「契約書」を作っていればそれも。

これ単体ではな・・・①

以上に挙げたようなものをお手元に保管していただければ、基本的には証拠としては大丈夫です。

その上で、村田個人として「これはな・・・」と思うパターンをいくつかご紹介します。

パターン①:出金伝票のみで経費計上

まず大前提。出金伝票自体はまっとうな会計書類です。

出金伝票だからといって、即座に経費が認められないわけではありません。

でも、この出金伝票は、「例外的」に使うものです。

具体的に言いましょう。

現金でお金を支払ったけど、領収書を相手からもらえなかった場合に使うことが多い。

例えば、ご祝儀・香典。冠婚葬祭の際に渡すお金。

取引先の方に対して、こういうお金を渡すこともあるでしょう。人付き合いも大事。

領収書だって、もらわないのが常識です。

そしてこういうお金は、通常は経費と認められる類のものです。

だからこそ、払った証拠として「出金伝票」を作成して、日付と支払った相手、金額や内容を残しておくのです。

ところが・・・。

本来は領収書をもらわなければいけないのに、残念ながらもらえなかった。

こんな場合に出金伝票を使うのは好ましいことではありません。

まぁ、件数にもよりますが、出金伝票だけが大量に出てくるなんて言うのは有り得ない話。

現金で支払ったときにもらえる領収書は、もらった相手が作成するから意味があるのです。

自分でいつ、いくら支払ったのかという出金伝票を作って自分で経費にしても、ほとんど証拠にならないのです。

かつて調査官だった人間からすると、経費をごまかしていますと言っているようなものです。

なので、出金伝票の多用は避けてほしいところですが・・・。

やむを得ずどうしても特定の方から領収書をもらえないということもあるでしょう。

そういう場合は、

いつ、いくら、どんな取引でお金を払ったのか、書面・データで残しておきましょう。

メール、チャットツールでも全然かまいません。

取引先とのやり取りですから、こういう取引で払ったのかと内容の確認ができるのです。

こういう取引内容が確認できる別の資料を組合せて、出金伝票の証拠力を補強してあげるのです。

これ単体ではな・・・②

パターン②:現金で支払って手書きの領収書を受け取った

これも大前提。領収書自体はまっとうな会計書類です。

出金伝票しかない、という状態よりは全然マシです。

現金で支払ったということを、受け取った相手の方が作成している書類で支払った事実関係も確認できる。

ただ、これでもやはり避けてほしいなというのが本音ではあります。

疑えばキリがないのですが、手書きの領収書なんていうのは、いくらでも作ろうと思えば作れるもの。

物理的に「偽造」ができてしまうものです。

悪いことをしようと思えばできてしまう、可能である。

それが手書きの領収書なのです。

ただ、何でもかんでも銀行振込という訳にも行かないでしょうから、

村田としてはクレジットカード払いをお勧めしております。

なぜか?

相手に間違いなく払ったという事実を第三者であるクレジットカード会社が証明してくれるからです。

現金で支払った場合とは決定的に違うのです。

(とはいえ、本当に経費になるのかどうかは内容の確認ができるまで何とも言えませんが・・・)

なので、これもまた別の資料と組合せて補強してあげましょう。

例えば、人件費。特に日雇いの方。

何か、作業を手伝ってほしい時にお願いして、日当を現金で渡した。

こういうケース、普通にありますよね。

別に定期的に仕事をお願いするまでもなく、たまに。

一年間で払っている日当が数万円程度であればそこまで気になりませんが、合計して数十万円、百万円以上となってくると話は別です。

最低限でも、相手のフルネーム、住所、連絡が取れる携帯番号くらいは控えておきましょう。

本来は、支払った相手に領収書に書いてほしいところではありますが・・・。

調査を受けた際に、身元がはっきりしない人に経費を払ったとなると、印象は悪くなります。

ここに加えて、どんな仕事をお願いしていつ実行してもらったのか、記録を残すようにしましょう。

仕事の依頼の際に、お互いのメールやチャットツールでのやり取りにこのあたりを明記して保存することもお勧めします。

気を付けたいのが、電話をかけて口頭でお願いをしている、そして今はその連絡先は使われていないというパターン。

怪しさ満点ですよね。こういうことはなるべく避けるようにしてくださいね。

なので、村田としては銀行振込・クレジットカードで代金の決済を行う様にクライアントにはお願いをしているところです。

これは自分自身を税務のリスクから守るという観点からも重要なことなのです。

【編集後記】

昨日は朝から赤坂に出張。現場近くのカフェでブログ下書き。

お昼までクライアントと打ち合わせ。

池袋に移動し昼食、カフェでブログの更新と面談記録作成。

夕食を摂って帰宅。

ノート

Posted by corner-stones