自分で自分をダブルチェックする
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、ダブルチェックについて。
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誰も自分の仕事をチェックしてくれない
ひとり税理士である私、仕事はすべて自分で行います。
もちろん、仕事の責任者も私。
何かやらかしても誰も責任を取ってくれません。
なので、自分の仕事に対して自分自身でチェックをする必要があります。
この点、組織勤めだと何重ものチェック体制が敷かれていて、複数人の眼で徹底的に内容の確認がなされます。
前職の場合、一つの調査案件をまとめる際、10人前後のハンコをもらっていました。
当時は、めんどくさいな早くハンコ押してくれないかなと思っていたものでしたが、あれはあれで担当者一人に責任を負わせずに組織で責任を取りますよ、という「儀式」だったのだと今では理解しています。
ひとりで働いている身からすれば、自分以外に責任を負ってくれる人がいるとか、ありがたくて涙が出そうです笑
自分の仕事を自分でチェックする難しさ
でも、組織勤めには戻りたくないし戻る予定もありませんので、自分で自分の仕事をチェックする仕組みを作る必要があります。
例えばクライアントの申告書を作成するという場面。
基本的に個人事業者は国税庁の確定申告コーナー、法人は申告ソフトを使用しています。
それぞれで申告書を作り上げ、提出直前まで進めておきます。
それと並行して。
Excelソフトを使って、申告書の計算手順を再現するのです。
所得税の申告の場合、特に会計ソフトを導入していないクライアントの場合は、
売上の金額をExcel上で集計しておき、「収入金額」を算出。
経費も勘定科目ごとにExcel上で集計して「必要経費」を算出。
ここで、「収支内訳書」「青色申告決算書」のフォーマットの通りにExcel上で計算を再現する。
ここまでで事業所得の金額は出ますので、申告書と見比べて、金額が一致するかを確認。
ソフトが算出した事業所得も、もとは手入力で数字を入れていますので、その手入力自体が間違っている可能性もあります。
そうした場合、ソフトの数字とExcelの数字が合いませんので、理由を解明して修正します。
こんな感じで、所得控除の金額も確認しながらExcelに数字を入れていき、課税所得まで算出。
以降の、納税額計算までExcel上で再現して、申告ソフトの納税額と一致していれば、
まぁ間違いはないのだろうと。
他人の眼になったつもりで
上のような要領で、続いて消費税もExcel上で計算を再現します。
こうやって、申告ソフト以外で計算を再現すると他人の眼となって自分の仕事をチェックできるのです。
申告ソフト上で確認しても、自分が作った申告書を自分でチェックしているので、なんだか危ないなと思うのです。
ちなみに、会計ソフトを導入していないクライアントの場合、
消費税の申告はほとんどは2割特例ないし簡易課税であることが多いので、基本的には所得税で使用した収入金額を利用して、
あとは消費税の申告書の通りにExcel上で計算を再現するだけですね。
・・・難しいですか?
使っているものは、
- Excel上で足し算と引き算
- Excel上で掛け算と割り算
- SUM関数
- ROUNDDOWN関数(課税所得や税額などの端数切捨て)
これくらいです。
これだけ使えれば、とりあえずは事足ります。
もし、これでは不十分だというなら、そこから学べばいいのです。
最初からExcelに精通しておく必要はなくて、必要になった時点で継ぎ足せばいいのです。
ということで、他人の眼になれるような仕組みを自分で作ってみましょう。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新と掃除、買い物。
午後からはオンライン面談と6月着手の税務調査に関する事前通知、図書館。