防衛ラインを設定する
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、防衛ラインを設定しよう、というお話。
防衛ラインを設定せよ
これは「ゲーム」の話です。
よく、戦略シミュレーションゲームで遊びます(最近は・・・)。
有名どころだと、
- 信長の野望
- 三國志
あたりは過去作品も遊んでいましたし、
海外製のゲームだと、
Hearts of Ironシリーズなんかは、
朝から晩までずーっと遊んでいました。
こういうゲームは、他国との戦争を行うことが前提です。
戦争を行い、領土を広げ、世界でのし上がっていくことを楽しむもの。
自分が攻め込むのみならず、時には他国から攻め込まれることもあります。
その時に意識していることが「防衛ライン」。
イメージはこんな感じ
例えば、日本で想定しましょう。
自分は大阪にいて、東国からの攻撃に備える場合。
東国、つまり関東方面からの侵攻ルートを想定した場合、やはり東海道を大軍が西進してくることが一番の脅威です。
(中山道は山中を通り、大軍での侵攻には不向き。越後に出て北陸方面からの侵攻は、冬場は軍勢を動かせない。)
最初の防衛ラインをどこに設定するか?
とりあえず、尾張の清州あたりにしましょうか。
ここを破られた場合、2番目の防衛ラインは美濃の岐阜にしましょう。
岐阜は山城ですから、守りは堅い。
万が一ここを破られた場合。
東国からの侵攻ルートを想定すると、美濃を突破した場合は、
恐らく琵琶湖の南側を通って大阪平野に突入してくる可能性が高いですね。
であれば、近江の南、観音寺あたりで最終防衛ラインを設定する。
観音寺を突破されたら、お終いですね笑
・・・とまぁ、こんなことを頭の中で考えて遊んでいるんです。
税務調査でも一緒
ここからが本題です。
別にゲームの話だけしているわけではないです。
「防衛ラインを設定する」ということは、税務調査の現場でも有用です。
そもそも防衛ラインは「守り切る」ことが前提ではないのです。
「破られることも前提」なのです。
破られて当然という考えが無いと、
特定の戦場に執着し、戦力をいたずらに消費することになるわけです。
「あ、あそこはダメだったのね。じゃ、次、次。」
と頭を切り替えて、体制を整える。
ここに防衛ライン設定の意味があるのです。
税務調査で例えると、
請求書やレシート・領収書の裏付けがない経費を否認されそうになっている、としましょう。
防衛ラインの設定は、自分が一番守りたいところから逆算して設定していきます。
となると、一番守りたい部分は「証票類が無い経費の全額否認」ですよね。
これは避けたい。
私が想定する防衛ラインは3つほど。
- 口座から振り込んでいる、クレジットカードの明細が残っている支払い。
- 現金で払ったけど、納税者に支払いの内容に記憶があり、帳簿に支払先が書いてある。そして、支払先に確認が取れる支払い。
- 現金で払ったらしいけど、納税者は内容を覚えてないし支払の相手が誰なのかもわからない。でも、支出額が1円単位まで記帳されており、事業に使用したことが推測できそうな支払い。
といったところです。
さて、ここのどこまでを守って、どこまでを調査官に譲るのか?
これが調査での交渉ってやつですね。
(納税者も内容を覚えてないし誰に払ったのか帳簿に書いてないし1万円ちょうどとか丸い数字の支払いは、私個人としてはキビシーということで。え、そもそも帳簿を作ってない?あら~)
【編集後記】
昨日は午前中はブログ更新と自重トレーニング。お客様へメールなど。
午後からは修正申告書の提出。税務署との電話打ち合わせなど。
