ディベートのコツ
昨日のブログで、国税時代の専科研修のことを書いていたら、ディベートをやっていたことを思い出しました。
私が思う、ディベートのコツをまとめました。
3つのステップ
まず最初に、これから書くことは一般的なディベート術とは全く違うと思いますので、その辺はよろしくお願いします。
国税の研修で行われるゼミ、ひいては、税務調査時に納税者・税理士とどのようにして議論を進めていけばいいのか、というところに主眼を置いています。
さて、ディベートを進めるにあたっては、以下の3つのステップに分けることができます。
- 事実認定
- 法令解釈
- あてはめ
このそれぞれについて、
見解を相手とすり合わせる作業
がディベートにおいては必要になってきます。
なお、テレビとかの番組で出演者がいろいろおしゃべりしている様子を見ますが、あれはディベートというよりも、
それぞれが言いたいことを勝手にしゃべっているだけ
ですので、参考にはなりませんし、あれと同じことを税務調査の時にしないようにしましょう。納税者・税理士、調査官を「論破」しても得られるものは何もありません。
最終的に、自分の主張に対して「イエス」と言ってもらうことがゴールです。
ディベートで一番大事なことは?
3つのステップで一番大事なことは、
事実認定
です。
いつ、どこで、誰が、どのように、何を、どうしたのか
これが、お互いで認識にズレがあると議論は深まりません。
だって、見えてる世界が違いますので。
ディベートにおいては、事例が与えられますので、事実関係についてお互いで共有しておくことが大事です。事例に書いているから不要?いえいえ、そんなことはなく、事例に文章で書いてあっても、
双方が都合よく認識
してしまいます。そういうものです。
ですので、手間がかかったとしても、必ず事実関係についてお互いに共通の認識を持つようにしましょう。
ゼミの教室や会議室には、黒板やホワイトボードが大体は設置されていますので、事実関係の整理に積極的に利用しましょう。
これ、相手との議論でも役立ちますが、自分の味方側との打ち合わせの時にも有効です。自分の認識がいーかげんだと気づきます。
事実認定のポイント
さて、その事実認定ですが、認識を共有するときにもポイントがあります。
証拠資料ベースで押さえる
ということです。
事実関係を見ていくときに、その事実関係が本当だということを、確認できる資料が必要です。
税務調査でいうと、
- 帳簿
- 請求書、領収書
- 契約書
- 稟議書
などは基本。
それ以外にも、経理や税務申告に関係ない資料。
例えば、
- 現場で使う事業計画、報告
- 出張記録
など。
そして、出てきた証拠に対してお互いが正しいと認めるのか、その証拠を否定する別の証拠があると言い出すのか。
事実認定は、こういった議論を繰り返して進めていきます。
なお、「証言」も、証拠にはなるのでしょうが・・・。できれば、その証言を裏付ける別の証拠も欲しいところではあります(私個人としては)。
(ちなみに、証言を強力な証拠化する作業を国税調査官は行います。「質問応答記録書」の作成がそれです。)
【編集後記】
ディベート、懐かしいですね。ディベートのやり方って、あんまり教えてくれなかったりしますので。
今日の記事も、完全な村田流ですので、そこは要注意です。自分がいろいろ体験した結果、こういう風にまとまるかなと。
仄聞するに、研修の現場では、お互いが言いたいことを言い合って議論が深まらずに終わってしまうことも一部ではあったそうです。
では、私ができていたかと言えば、これもなかなか。実地での訓練が必要ですね。
さて、昨日は朝一のブログ更新。
午後から新橋で営業に関するセミナーを受講。日々営業。足りてないなーと。