どこまで税金・会計を勉強する?
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、勉強の深堀について。
専門職の勉強時間
いわゆる専門職というもの、どれだけの勉強時間が必要なのでしょうか。
税理士の場合、まずは資格を取らなければなりません。
調べてみたところ、資格取得(5科目合格)に必要な勉強時間は、一般的に4000時間ほどだそうです。
4000時間・・・。
1科目あたり単純計算で800時間。365日毎日2時間以上勉強に費やすことになりますね。
途方もないですね・・・。
私の場合、国税職員としての制度をうまく活用しましたので、実はここまで勉強したわけではありません。
一部の科目合格はしていますので、その事を思い出すと、1科目に800時間も勉強したかなぁというところではありますが。
ただ、少なくとも平日役所終わりにカフェで勉強したり、土日のほとんどを通信学校の授業に費やしたり、相当の時間を使ったのは間違いないわけで。
「資格を取る」うえでは、まずはこれくらいの時間が必要、と。
でも専門職というものは、資格を取るまでの勉強で終了、とはいかないものです。
資格を取ってからも勉強、というか、資格を取ってからの方が本格的な学びに入るものと思っています。
36時間で充分?
実は、税理士には年間36時間の勉強時間が義務付けられています。
税金について、税理士会の研修を受講することが必要なのです。
さて、この36時間という数字、どう感じますか?
「え?たった36時間で良いの?」
「36時間も勉強しなきゃいけないのか」
など、色んな感じ方があることと思います。
36時間、1カ月当たり3時間、これを1日あたりに直すと約6分です。
ここまで換算するとどうですか?
税理士たるもの、1日6分の勉強でOKらしいです・・・。
まぁ、そんなことはないでしょうね。
税制は毎年変わるもの。それをキャッチアップするだけで大変です。
ビジネス環境だって変わります。
テクノロジーの進歩も昨今は著しい。
こういうことを逐一学んで吸収していくとなると、36時間ではとても足りない。
勉強が終わらないせいで独立できない?
資格を取った時は、不思議な万能感に襲われます。
あれだけ勉強したのだから、何でも知っている、と。
ところが、実際の仕事の場面となると、何もわかってなかったことに気付くのです。
なかなか教科書通りに行かない、そもそも教科書に書いてないことも多い。
もっともっと、税金や会計について勉強しなきゃ、独立なんて無理。
さらに言うと、税金や会計だけ学んでも足りなくて。
パソコンのスキル、特にExcelについてはある程度学んでおく必要がありますね。
最近は生成AIなんていうのも出てきてますし、仕事を効率化できるツールなどもどんどん出てくる。
最新のビジネス情勢も知っておきたい。
クライアントに経営に関するアドバイスもできるようにならなきゃ。
それに、面倒な税務調査対応についても一通り学んでおきたい・・・。
いつまで経っても、独立なんてできない。
と、思ってしまうんですよね。
しかしながら、私が思うに、その勉強は独立にあたって本当に必要なのでしょうか。
まず、税金や会計は必須なのですが、教科書をよく見てください。
その分野、あなたの仕事に必要ですか?
自分がお付き合いしているクライアントにとって、
必要な知識・スキル・情報なのかどうか
が大事なのではないでしょうか。
私のバックボーンは「税務署の法人税担当」ですので、例えば、「組織再編税制」。
試験勉強では学びますが、実務で自分にとって必要なのかどうか。
少なくとも、「今は」必要ではありません。
となりますと、組織再編税制について学ぶ必要性は低い、となります。
もちろん、将来的に組織再編税制を自分の仕事の一つにしたい、ということであれば話は別です。
ただ、組織再編税制がわからないと独立できないか、というと、そんなことはないですよね、という話なのです。
必要な物事を必要な都度、学べばよいのです。
そのときに、どうやって学べばいいのかをわかっておけばいいのです。
ですから、独立にあたって何を勉強すればいいのか、と考えるのはやめましょう。
独立してからでも、間に合いますよ。
ちなみに私が今読んでいる本は↓
「旧約聖書を知っていますか」(古典の入門書)
「貞観政要」(中国の古典)
「大富豪の起業術」(ビジネス書)
です。
自分の引き出しを増やすため・・・でもありますが、
単純に学びたいので学んでいるだけ、でもあります。
税金は一切関係ないという笑
【編集後記】
昨日は朝一から神田に出張。
クライアントの事務所に伺い、確定申告書の内容のご報告。その後、ランチもご一緒させていただく。
都心で用事を済ませ、帰宅。確定申告書を提出し、図書館など。
夕食後にブログ更新。